幸福論



 男は思った。

 ああ、私はなんて幸せなんだろう。

 朝起きて、朝御飯を食べて、午前の仕事をして、昼御飯を食べて、午後の仕事をして、定時に仕事を終えて、お風呂に入って、ベッドに入る

 普通のことが、普通に出来る。

 いつもの毎日。

 変わらない毎日。

 ああ、私はなんて幸せなんだろう。

 

 一家四人を惨殺した男は、鉄格子の中でそう思った。

 

 


幸せは、自分の中にある。
どんなちっぽけなことでも、自分が思えばそれは幸せ。
 
他人からどう思われようと







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