対価の果てに



 空を仰ぐ

 蒼く広がる空を

 

 両手に刻まれた傷痕が

 鈍い疼きを伝える

 

 胸の内に呼び起こされる

 針のような痛み

 

 矛先を失う怒りが

 叫びと共に放たれる

 

「答えろよ」

「答えろよぉぉッ」

 

 言葉は青の彼方へと

 返されることなく消える

 

 額に落ちる

 一滴の水

 

 止まない雨粒が

 天から贈られた言葉

 

 体を包む水滴が

 吐きつけられた唾に思え

 

 傷だらけの拳が

 空に突きつけられた

 

 


ショートらしい空気。
努力が必ずしも報われないというお話。







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