「…ああ」
「携帯電話の説明書って無意味に分厚いじゃねぇか」
「…そうだな」
「あれって意味無いと思うんだよ」
「…何でだ?」
「だって、あんなに文字がびっしりのもの、読もうって気にならないだろ」
「…ああ、ならないな」
「だからさ、もっと読みやすい形にすればいいんだよ」
「…例えば?」
「そうだな…いっそのこと漫画にしてみるとか。『携帯電話の使い方♪』みたいなタイトルで、二頭身のキャラクターが可愛く説明するんだよ」
「…いいかもな」
「だろ。そうだよな」
「…やっぱり駄目だろ」
「ん、何がだ?」
「…もっと分厚くなるぞ」
「………」
「…それに、誰がそんなものを描くんだ」
「………」
「………」
「そういえばそうだよな」
「…駄目だよな」
「ああ、駄目だな」
「………」
「………」
「ま、いいか。別に俺らにはどうでもいいし」
「…そうだな」
タイトルからして一切意味の無い。
携帯電話の説明書は、通話とメールのやり方だけを見る僕です。
細かい部分を除いて、携帯なんてどれも同じ感覚で仕えますからね。
…でも本当に『携帯電話の使い方♪』があったら、読みたいと思う僕です。