「分かりません」
「君は優秀だ。仕事は完璧にこなし、裏表の無い性格でリーダーシップがある。部下たちの信頼も厚い。だが、そんな君にある唯一の弱点。何だと思う?」
「そんなものがあるのですか?」
「君は直線的すぎる。何も偽ることができない。変化をつけることも、回り道をすることもできない。真っ直ぐのレールしか走れないのだよ」
「それは弱さですか?」
「時としてそれは何者にも勝る強さとなるだろう。しかし、今回は違う。相手が悪い」
「ですが、それを否定するということは、私を切り捨てることでもあります」
「違う。学んで欲しいのだ。偽りを、変化を、回り道を。そうすることで君はさらに高みに登ることが出来る。私は君を一流にしたいのだ」
「私は、私以外の何者にもなれません」
「柔軟性の無さ、それが君の弱さなのだ」
「おい、なに定規見つめてぼーっとしてるんだよ」
「適性について考えていたんだ」
文房具もそろそろ限界か。しかし限界を超すのが僕。全てを超越するのが僕なのです。
上の文には嘘成分が含まれています。