妄想死



 体温が消えていく

 全てが塗りつぶされていく

 

 降り積もる白の結晶が

 肉体を侵していく

 

 赤く赤く染め上げられた

 過去の足跡

 

 消えていく

 消えていく

 

 全てが白く消えていく

 

 存在理由も

 存在意義も

 存在証明も

 存在命題も

 

 なにもかも

 

 

 思考すら白く染まるとき

 

 なぜ僕の唇は

 

 微笑んだのだろう

 

 

 

 

「ん、なんで赤ペンの跡を消さないんだよ。修正液が切れたのか?」

「死について考えていたんだ」

 

 


しかし、僕の書く学生は、どうしてこうも変人が多いのでしょうか。
僕はいたって普通の学生だったのですがねぇ。
あ、その反動ですか。








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